赤ら顔 赤ら顔は、主に顔面の赤い状況を総称します。原因として脂漏性皮膚炎の経過中や長期シモヤケ等に依る皮膚炎の後遺症としてみられ、主に終末血管と言われる皮膚毛細血管が拡張したままとなったり、数が増加したままとなり起こります。中には、膠原病の皮膚症状としてみられる事もあります。 皮膚断面で考えると、真皮上層の毛細血管が拡張したり、数が増えるなど、質や量の変化により単位面積あたりのヘモグロビン量が増えた為に赤く見えます。 拡張した血管は老化や炎症の程度により内圧が高まりさらに拡張し、ミミズが這う様な1本1本の血管を追えるようになります。 治療は、以前は血管が電気が流れやすい事を利用し、通電して血管に熱反応を起こしたり、液体窒素治療等が行われてきましたが、これらは非選択的治療と言って、温存したい正常の細胞も含めてダメージを与える方法でしたので、改善度よりも瘢痕や色素沈着の方が目立っていました。 そこで選択的治療と言う考え方が主流と成りました。これは光選択制を利用して、血管内ヘモグロビンに集中的に光エネルギーを吸収させ、熱エネルギーとしてターゲット組織である血管を縮小したり、減少させる方法です。ヘモグロビンに吸収率が高く、メラニン色素に吸収が少ない波長575nmから始まり595nm周辺のうちの1波長を発振し、エネルギー密度も高くする事ができる、色素レーザー治療が一般的となっております。 治療時は、冷やしたり表面麻酔を行って熱痛さを軽減します。 治療直後、表皮は温存されながら、効果を期待できる証とも言うべき、作用を与えた血管からのヘモグロビン漏出が真皮内で起こり、紫斑として目立ちます。紫色は10日前後で赤色と成り、4週間程度で吸収されます。これが、最も大きなダウンタイムで、その他、日焼けしていれば表層のメラニンにレーザー光が先に吸収され、水疱形成等も起こる場合がありますが、多くは治療前に日焼け止め等の指導を行いますので避けられます。 改善は主に表層からですので、一度では薄くなったり気になる範囲が縮小する変化で、2−3ヶ月後の追加治療を検討します。 この紫斑が目立つ為に、効果的なレーザー治療が受けられない場合は、ヘモグロビンに作用する波長を多く含む、フラッシュランプを用いたフォトIPL MAXG 治療が奨められます。 この治療は、エネルギー量がレーザーより少なくピークパワーも低い為に、紫斑を造らず標的血管をじっくり縮小して赤色を減少して行きます。